擁壁とは?失敗しない擁壁工事はどこに頼むべきか解説

擁壁(ようへき)とは?失敗しない擁壁工事はどこに頼むべきか解説 住宅の用語一覧
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あなたの土地と家族の安全を守るのが「擁壁」。

「道路と高低差がある」
「隣の土地と高低差がある」
「家の裏が崖になっている」

このような土地に住んでいる、あるいは購入を検討している方にとって、「擁壁(ようへき)」はチェックするべき構造物です。

擁壁は、私たちの安全な暮らしと大切な資産である土地を守るために不可欠な構造物です。そして、
「擁壁ってそもそも何?」
「工事にはいくらかかるの?」
「古くなってきたけど、どこに相談すればいいの?」

といった疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、プロの視点から擁壁に関するあらゆる疑問にお答えします。擁壁の基本的な役割から、具体的な工事の流れや費用、そして最も重要な「信頼できる業者の選び方」まで、解説していきます。

この記事を読み終える頃には、あなたは擁壁に関する正しい知識を身につけ、安心して検討することができるはずです。

擁壁とは?土地と暮らしを守る重要な構造物

まず、「擁壁とは」何か、その基本的な役割と種類について理解を深めましょう。擁壁は単なる「壁」ではなく、法律にも関わる専門的な知識が必要な構造物です。

建築基準法では、宅地が崩れる可能性がある地域は、宅地造成規制法により擁壁の設置要件が定められる場合があります。

また、自治体の条例によっても異なりますが、設置の要件が定められている場合があります。

擁壁の役割と必要性

擁壁とは、高低差のある土地で、土砂が崩れ落ちるのを防ぐために設置される壁状の構造物のことです。「壁」で土地を「擁(まも)る」という字の通り、崖や切土(きりど)、盛土(もりど)の斜面が崩壊しないように支える、いわば「土地の守り神」です。

特に、日本は地震や大雨などの自然災害が多い国です。脆弱な擁壁や、そもそも擁壁がない高低差のある土地は、災害時に大きな被害をもたらす危険性をはらんでいます。安全な暮らしを確保し、土地の資産価値を維持するためにも、擁壁は極めて重要な役割を担っているのです。

【擁壁が必要になる主なケース】

  • 道路や隣地との間に高低差がある場合
  • 傾斜地を造成して平らな敷地を作る場合(切土・盛土)
  • 家の裏山が崖になっている場合
  • 自治体の「がけ条例」など、法律で設置が義務付けられている場合

 

擁壁の種類とそれぞれの特徴

擁壁にはいくつかの種類があり、土地の状況や予算に応じて適切なものが選ばれます。代表的な擁壁の種類と特徴は以下の通りです。

種類 特徴 メリット デメリット
鉄筋コンクリート(RC)造擁壁 鉄筋とコンクリートで作られた、最も一般的な擁壁。L型、逆L型、重力式など様々な形状がある。 ・強度が高い・設計の自由度が高い・耐久性に優れる
・コストが高い・工期が長くなりやすい
コンクリートブロック造擁壁 型枠状のコンクリートブロックを積み上げ、内部に鉄筋と生コンクリートを充填して作る擁壁。 ・RC造よりコストを抑えられる・比較的工期が短い
・RC造に比べて強度が劣る・高さ制限がある(2.25m以下が一般的)
石積み擁壁 自然石やコンクリートブロックを積み上げて作る伝統的な擁壁。「練積み」と「空積み」がある。 ・見た目が自然で景観に馴染む・水はけが良い(空積みの場合)
・高い技術力が必要・地震に弱い場合がある・現在の基準では許可が下りにくい
その他
もたれ式擁壁、大型ブロック積み擁壁など、特殊な擁壁もあります。

現在、宅地造成で新たに造られる擁壁の多くは、安全性の高い鉄筋コンクリート(RC)造擁壁です。中古物件などで古い石積み擁壁などがある場合は、強度や安全性を専門家に診断してもらうことをおすすめします。

知っておきたい擁壁に関する法律

擁壁とは
基準を満たしていない擁壁 引用:国土交通省

擁壁の設置は、建築基準法や宅地造成等規制法といった法律によって厳しく定められています。特に重要なのが「高さ2mの壁」です。

高さが2mを超える擁壁を造る場合、建築確認申請(工作物の確認申請)が必要になります。これは、その擁壁が国が定めた技術的基準をクリアしているか、行政のチェックを受けるための手続きです。確認申請を行わずに造られた擁壁は「既存不適格」あるいは「違法」な擁壁となり、是正の対象になったり、建物を建てる際に許可が下りなかったりする可能性があります。

中古物件に古い擁壁がある場合は、この確認申請が行われているか(検査済証があるか)が、その擁壁の安全性を判断する上での一つの指標となります。

擁壁工事はどこに頼む?後悔しない業者選びの極意

擁壁工事の成否は、業者選びにかかっていると言っても過言ではありません。では、擁壁工事は一体「どこに頼む」のが正解なのでしょうか。信頼できる業者を見つけるための具体的なポイントを解説します。

 

擁壁工事を依頼できる業者の種類

擁壁工事を依頼できる業者は、主に以下の3つに分類されます。

  1. ハウスメーカー・工務店 新築や建て替えと同時に擁壁工事を行う場合は、まとめて依頼できます。窓口が一本化されるため手間が省けますが、実際に施工するのは下請けの造成業者であることが多く、中間マージンが発生して割高になる可能性があります。
  2. 造成工事・外構(エクステリア)専門業者 擁壁工事や宅地造成を専門的に扱っている業者です。専門的な知識と経験が豊富で、自社で設計から施工まで一貫して行う場合が多いため、適正価格での工事が期待できます。擁壁単体の工事であれば、最も有力な依頼先候補となるでしょう。
  3. 土木工事会社 公共工事なども手掛ける規模の大きな会社です。大規模な造成工事や難易度の高い工事を得意としています。技術力は高いですが、個人からの小規模な依頼は受けていない場合もあります。

信頼できる業者選びのチェックリスト

業者選びのために、以下のポイントを必ずチェックしましょう。

  • □ 建設業許可や宅地造成工事許可を持っているか? 一定規模以上の工事を行うには、都道府県知事からの許可が必要です。担当者に確認しましょう。
  • □ 擁壁工事の実績は豊富か? これまでに手掛けた擁壁工事の施工事例を見せてもらいましょう。写真だけでなく、どのような課題をどう解決したのか、具体的な話が聞けるとより信頼できます。
  • □ 見積書の内容は詳細で明確か? 大雑把な見積もりを出す業者は要注意です。材料費、人件費、諸経費などの内訳が細かく記載されているかを確認しましょう。
  • □ 専門的な質問に的確に答えられるか? 構造計算や法律に関することなど、専門的な質問をした際に、担当者が曖昧な返答をせず、分かりやすく丁寧に説明してくれるかを見極めましょう。
  • □ 地盤調査を重視しているか? 「このくらいなら大丈夫」といった経験則だけで判断せず、必要な調査や計算をきちんと行う姿勢があるかは、安全な擁壁を造る上で不可欠な要素です。
  • □ 保証やアフターフォロー体制は整っているか? 工事後の保証内容や、万が一不具合が発生した場合の対応について、契約前にしっかりと確認しておきましょう。

こんな業者には要注意!避けるべき業者の特徴

一方で、以下のような特徴が見られる業者には注意が必要です。

  • 契約を異常に急がせる:「キャンペーン中で今日契約すれば大幅割引します」などと言って、冷静な判断をさせずに契約を迫る。
  • 極端に安い価格を提示する:相場よりも著しく安い見積もりは、必要な工程を省いたり、安い粗悪な材料を使ったりする手抜き工事のリスクがあります。
  • 現地調査をしっかり行わない:短時間でざっと見ただけで見積もりを出すなど、調査が不十分な業者は信頼できません。

業者選びは、価格だけでなく、技術力、実績、そして担当者の人柄や誠実さなどを総合的に判断することが何よりも大切です。

【まとめ】擁壁は安全の礎。信頼できる専門家への相談から始めよう

今回は、「擁壁とは」という基本的な知識から、「擁壁工事」の具体的な内容、そして「どこに頼むか」という業者選びのポイントまでを詳しく解説しました。

【この記事のポイント】

  • 擁壁とは、高低差のある土地の土砂崩れを防ぎ、安全と資産を守るための重要な構造物である。
  • 擁壁工事は、専門的な知識と技術を要し、高さ2mを超える場合は法律(建築確認申請)が関わる。費用は状況により変動するが、補助金制度や相見積もりで適正化を図れる。
  • どこに頼むかが最も重要。造成工事の専門業者などを中心に、許可の有無、実績、見積もりの透明性、担当者の対応などを厳しくチェックし、信頼できるパートナーを選ぶ必要がある。

あなたの土地や、これから手に入れる土地の擁壁について少しでも不安や疑問を感じたら、まずは専門家である造成工事業者に相談することから始めてください。無料相談や無料見積もりを行っている業者も多くあります。

この記事で得た知識を元に、複数の業者に相談し、比較検討することで、きっとあなたの不安は解消され、納得のいく擁壁工事ができるはずです。

プリンシパルホームでは、年間約100棟の新築戸建てを建築しております。宅地造成、分譲、注文住宅と幅広く建築に関わる業務を行っております。擁壁に関するご不明点につきましても、お気軽にご相談下さい。

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